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実際的なシステム開発手法

実際的なシステム開発手法_a0000893_04456.jpg数週間前に出席した勉強会でシステム開発、プロジェクトマネージメントの教育などを仕事としている株式会社イマジンスパークの深沢隆司氏と会う。

IT業界の現状、音楽の話などで盛り上がりました。

帰り際に技術評論社から最近出版されたデスマーチよ!さようなら!を頂きました。

本書は前半に現状のシステム開発の問題・あるべきプロジェクトマネージメント、後半で深沢さんの考案されたスペックパターン開発プロセスの話になっています。

深沢さんの体験から出てきている問題・解決策・開発方法論で非常に参考になります。
多分、何人かの問題のあるプロジェクトマネージャの元で仕事をされたのでしょう、問題点・改善点が実際的です。確かに今の日本の問題で、通り一遍の教育をしたり、年数を経ればマネージャに上がっていき、能力もないのにプロマネになるケースが多いようです。会社でも実施すべき規則があるにも関わらず何もせずに、単に現場のSE、プログラマーにやれしか言わないPMが多いようです。
それを改善したくて深沢さんはPMIの資格まで取られたのでしょう。

PM、SE自身がIT用語に騙されて/信じ込んで、IT用語でお客を煙に巻いて、お客の為にもならないシステムを開発してしまうケースも多いように感じます。

本書で言われているように、真面目に当たり前のことを地道に客のビジネスを考えてシステム開発をしていくことが、システム開発・プロジェクトマネージの基本でしょうね。

後半のスペックパターン開発プロセスでは、お客とのコミュニケーションが重要で、そのためにモックでお客のイメージを確認し、詳細に渡って実現すべきシステムへの要求・機能をドキュメントで明確にして、それをシステムとして実現することだと言われていると解釈しました。システム開発では実現すべき機能を詳細に明確にしていくことが重要です。
お客とのコミュニケーションのためには会議が必要で、会議では決定事項などを明確にしていくために、議事録が重要とも言われています。これもお客の要求を明確にする手段、システム仕様を詳細化する手段としては適切でしょう。

お客の言うことだけでなく、現場を見るということが重要も理解できます。お客が言っていることが現場ではどう利用されているか・実現すべきかの理解には役立ちます。言葉だけでは誤解もあります。お客の言っていることが間違っていることもあります。現場を見ることで、業務を本当に確認したり、言葉の違いも確認できたりします。


現場の体験から出てきたプロジェクトマネージャへの指針、開発方法の参考例として非常に役に立ち実践にそのまま適用できる、もしくは反省材料として、多くのプロジェクトマネージャ、SE、プログラマー、IT業界の人々、IT業界へ仕事を依頼するお客側の人々にも役立つ本だと思います。是非一度お読みください。

Amazonなどの書評も参考になりますし、以下のBlogの書評も参考にしてください。

参考Blog
デスマーチよ!さようなら! by 読書日記

2004年04月07日(水)   心の波の調整  /  お仕事 by Myblogの漢

追記:
出来あがったドキュメントを関係者全員の会議で読み上げて確認という項目があります。始めは大変じゃないかと思っていましたが、実際に皆で読んで確認することで、見落としている部分などを発見することに気が付きました。
(私がQAerとしてシステムのレビューをしていて気が付きました)
by maida01 | 2004-05-29 22:52 | これからのビジネスとIT
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